全国高校野球青森大会の組み合わせ抽選会が24日、青森県総合社会教育センターで行われた。弘前学院聖愛は7月15日、百石との戦いから創部10年目で初の甲子園を目指す。

 不気味なノーシード校、弘前学院聖愛の笹森卓磨主将(3年=遊撃手)が引いたクジは49番。勝ち上がれば準々決勝で光星学院と、準決勝で青森山田と当たる。だが笹森主将は「自分たちの野球をやるだけ」ときっぱり言い切った。

 01年創部以来メキメキと力をつけ、昨春は初の東北大会で8強入り。だが昨夏は初戦で青森山田と当たり、0-2で敗退した。昨秋の東北大会は準決勝で盛岡大付(岩手)に4-5で惜敗。夏、秋と甲子園出場校に敗れた。さらに21世紀枠の青森県推薦校に選ばれたが、東北地区で落選。あと1歩及ばない試練が続いた。

 今春は地区予選で敗退し県大会にも不出場。以来、グラウンドには「2010年8月21日、NO1」と書いた紙を張り出した。甲子園出場だけでなく、決勝で勝つこと。つまり全国制覇に目標を上げた。「春の敗戦をバネに猛練習して、進化した」と笹森主将。最近の練習試合ではセンバツ出場の秋田商を破るなど好調だ。

 ナインはボランティアでごみ拾いや雪かき、クリスマスには病院などで賛美歌の奉仕をする。「1球の重さを大事に戦う」。ボランティアの誇りを胸に、笹森主将の視線はまっすぐ夏へ向かう。【北村宏平】