<高校野球南北海道大会>◇28日◇2回戦◇札幌地区予選

 春の王者・北海が、1イニング先発全員安打を記録し、5回20点の猛打で好スタートを切った。

 北海が5回21安打20点の猛攻で20-0(5回コールド)と札幌拓北に大勝し、春全道覇者の貫禄(かんろく)を見せつけた。圧巻だったのは2回。打者16人を送り込み、2四死球を挟む10連打、しかもこの1イニングだけで先発全員安打をマークするなど、大量12点を奪って試合を決めた。

 集中力は切れなかった。2回は1死二塁の場面で、9番森貴弘遊撃手(2年)の中前打から打線がつながった。主将で3番を打つ和田慶太中堅手(3年)の左三塁打以外は単打、単打の嵐。攻撃の手を緩めることはなかった。平川敦監督(39)は「(大量点で)集中力を欠いたら困ると思い、やることをきっちりやろうと話した」と振り返った。

 春の道大会後、10人前後の選手が肺炎や風邪にかかった。予防を兼ね、全部員が病院で診察を受けたこともあり、大会前は基本プレーの確認しかできなかった。和田主将は「春の大会後からは、私生活の緩みにも気をつけた。ミーティングでは挑戦者として、この緊張感の中で楽しもうと話しました」と言う。選手同士の対話を重視し、意思疎通を大切にしてきた。「楽しんだ者が勝ちだと思っているので」と和田主将。慢心のない古豪が、71年以来39年ぶりの春夏連覇に挑戦する。【石井克】