<高校野球広島大会>◇18日◇2回戦

 第92回全国高校野球選手権広島大会は15試合を行った。第2シードの崇徳は投打が噛み合い、来年3月で廃校になる自彊に16-0(6回コールド)の大勝を収めた。昨秋の中国大会で崇徳はインフルエンザまん延もあり広陵に敗れ4強進出を逃すとともに、センバツ出場権を逃した。「打倒広陵」を目指す、リベンジの夏が始まった。

 崇徳が盤石の試合運びで3回戦に駒を進めた。投げては先発大下佑馬投手(3年)が4回をパーフェクトに抑えると、2番手以降もスコアボードに「0」を並べた。打っては5番の堀川祐太内野手(2年)が先制含む3打席連続の2点適時打と大当たり。聖地・旧広島市民球場での18安打16得点&ゼロ封リレーに、03年4月から母校の指揮を執る藤本誠監督(30)は「大会に向けてチームは調子良く来ている」と手応えを明かした。

 今夏こそ甲子園、の思いは十分過ぎるほど浸透している。昨秋の鳥取米子での中国大会だ。広陵に2-9(8回コールド)で負け4強進出を逃すとともに、センバツ出場権も事実上、消滅した。現地入り後にチーム内にインフルエンザがまん延し、登録12人で広島王者に挑んだ。一時はリードしたが、力尽きた。

 昨秋後、チームは「打倒広陵」を目標に掲げた。タレントのそろうライバル撃破に向け、冬は徹底して打力を鍛えた。マシン相手に打ち込み1000本。「しっかりと振るためにも欠かせなかった。何よりも広陵に敗れた経験が今、生きている」と、藤本監督は言う。

 当時捕手だった堀川は「自分の悪送球が逆転のきっかけとなった。勝てない相手ではなかった。今度こそ広陵を倒す」と気合十分だ。エース大下もリベンジを誓う。センバツ4強入りした広陵の活躍は録画で目に焼き付けた。プロ注目の右腕に成長した広陵有原航平投手(3年)と「投げ合って勝つ」と闘志を燃やす。

 76年春に全国制覇も、93年春を最後に甲子園から遠ざかっている。第2シードが、廃校目前の連合チームに圧勝。リベンジの夏に妥協はない。【佐藤貴洋】