<高校野球長野大会>◇25日◇決勝

 松本工が松商学園を延長10回の末に6-5で下し、創部66年目で春夏通じて初の甲子園出場を決めた。プロも注目する最速142キロ右腕、柿田裕太投手(3年)が11安打を浴びながらも、5失点完投。2回戦からの6試合60イニング、852球を1人で投げきった。この日も、5回あたりから右肩が「だるい感じで上がらない」状態だったが、「気力でいくしかなかった。味方が守ってくれると信じてた」と腕を振り続けた。

 そんなエースの姿に、ナインが発奮しないはずはなかった。2点を追う9回2死走者なしから追いつくと、10回2死二塁で上原健志朗内野手(3年)が決勝の右前適時打を放った。その裏2死一塁、抜ければ同点という左翼への大飛球を、倉田健太外野手(3年)がフェンスに激突しながら好捕。中村定史監督(61)は「良い状態で投げられれば、甲子園でも面白いと思う」と「鉄腕エース」とともに就任31年目で初の聖地へ乗り込む。【今井恵太】