アレックス・ロドリゲスといえば、Aロッドの愛称で親しまれレンジャーズやヤンキースで強打の内野手として大活躍した大スター選手だったことは間違いない。22年にわたるMLBのキャリアで696本塁打、2086打点という記録を残している。さらに2001年にレンジャーズと結んだ10年総額2億5200万ドルという大型契約は当時のスポーツ界でも飛び抜けたものであり、世界的に注目された。

 その一方で様々なスキャンダルでもその名を知られている。特に禁止薬物の使用問題では何度も世間を騒がせることとなった。特に13年に発覚した、09年から12年にかけてマイアミの医療機関からヒト成長ホルモンや筋肉増強剤を購入していたことが発覚したバイオジェネシス・スキャンダルでは2014年の162試合、シーズン全体の出場停止処分を受けている。これらの問題にロドリゲスは当初、異議を唱え裁判を起こすなど抵抗したが結局受け入れることとなった。こうしたことから今も彼に対して良くないイメージを持つ人も多いのである。

 出場停止が明けた15年に復帰したロドリゲスだが、16年8月にヤンキースから放出され、そのまま現役を引退することとなった。

 こうしたこともあって記録的には素晴らしいものの、“汚れた選手”というイメージによってバリー・ボンズやロジャー・クレメンス、マーク・マグワイアなどと同じく、簡単に殿堂入りできないのではないかともいわれている。

 では引退後のロドリゲスのキャリアはというと、意外にもテレビの解説者として順調にステップアップを果たしているようだ。17年に解説者兼コメンテーターとして4大ネットワークFOXと契約し、高い評価を得ている。

 さらに23日、スポーツ専門局ESPNが2018年シーズンの日曜夜に放送する「サンデーナイト・ベースボール」の放送チームにロドリゲスが加わると発表した。出演料などは発表されていないものの、複数年契約が結ばれたということだ。FOXについてもプレーオフとワールドシリーズの中継での出演は続くとしている。

 サンデーナイト・ベースボールの放送チームはスポーツキャスターのマット・バジュジアンや元ソフトボール選手で解説者のジェシカ・メンドーサなどで構成され、3月29日のドジャース対ジャイアンツが最初の放送となるということだ。

 ロドリゲスは声明で「自分の放送キャリアでのこの新たな章を楽しみにしている」と意欲を示している。

 イメージが重要なテレビにおいて、このように活躍し認められているところが、ある意味ロドリゲスのスター性なのかもしれない。