スロースタートだったヤンキースが快進撃を見せている。昨年52本塁打を放ち大躍進を見せたアーロン・ジャッジ外野手と33本塁打のゲイリー・サンチェス捕手に加え、ナ・リーグMVPを受賞したジャンカルロ・スタントン外野手をトレードで獲得したことでシーズン開幕前はブロンクス・ボンバーズの復活に期待が大きかったヤンキース。しかし蓋を開けてみれば、以前お伝えしたようにスタントンの不調もあって、先月20日までで9勝9敗と期待に答えられずにいた。

 ところがそこから一転連勝が始まったのだ。21日に9対1でブルージェイズを9対1で下したのを皮切りに、破竹の9連勝を果たし、30日のアストロズ戦を1対2で落としたものの、そこからまた勝ち続け、8日終了時点で7連勝中だ。

 この快進撃の要因はジャッジ、サンチェス、スタントンのトリオよりも、その周辺の選手の活躍が大きい。その代表格がディディ・グリゴリアス遊撃手で、ここまで打率3割1厘、10本塁打、打点27で出塁と長打率を合わせたOPSは1.03と大活躍を見せている。

 21歳の新人グレイバー・トーレス二塁手は先月22日にメジャーに昇格した後、打率3割3分3厘、打点18、OPSが0.873と期待を上回る働きを見せているのだ。6日のインディアンズ戦ではサヨナラ本塁打も放っている。

 本来の正三塁手ブランドン・ドルーリーが視覚障害で戦列を離れたため代わったミゲル・アヌジャヤルも打率2割7分3厘、14打点、3本塁打と十分に穴を埋めている。アーロン・ブーン監督がドルーリーが復帰してもどちらを先発させるか難しいと認めているほどだ。

 一方で厳しい評価になるのが期待されていた3人である。ジャッジはここまで打率2割9分5厘、8本塁打、26打点と悪くない数字だが、いかんせん昨シーズンの鮮烈な印象があるため劣って見えてしまう。サンチェスも9本塁打、22打点を挙げているものの、打率が1割9分3厘という状況だ。

 一番評価が難しいのはスタントンである。4月は打率2割1分8厘、本塁打3と完全に期待を裏切り、ホームのファンからブーイングを浴びるまでになった。しかし5月2日のアストロズ戦で3安打2本塁打を放ち、8日のレッドソックス戦で再び2本塁打を記録している。5月の打率は2割7分3厘で、このまま復調すればようやくファンも納得することになるのだが。

 脇役ともいえる選手たちの活躍が支えるヤンキースの躍進はどこまで続くだろうか。