ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕した3月7日には、来日したMLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーが、今後もポスティングシステムを継続させていく希望を明言。大谷の存在に言及しながら「今年に関してはディスカッションはあると思う」と、MLB側から改正協議を申し入れる可能性を示唆していた。

 現行制度では、大リーグ球団が日本の球団に支払う譲渡金の上限は2000万ドル(約22億円)に定められ、その額を支払う意思があるすべてのMLB球団が、選手と30日間交渉することができる。旧制度は譲渡金の上限がなく、交渉は最高落札額を示した1球団に限られていた。現制度で移籍したヤンキース田中、ドジャース前田の2人はともに2000万ドルで移籍したが、譲渡金の上限がなかった06年のレッドソックス松坂(当時)は入札額約5111万ドル(約60億円=当時)、11年のレンジャーズのダルビッシュは同約5170万ドル(約39億円=当時)で移籍した。今後はMLB側から、NPBに対して、改正案を提示するとみられる。

 今季の大谷は、右足首を痛めてWBC出場を辞退し、4月8日のオリックス戦では、左太もも裏を肉離れして、2軍調整を続けている。現在は1軍復帰に向けてリハビリを行っている段階だが、獲得を目指す大リーグ各球団の高い関心に変わりはない。NPB側は、対応を迫られることになりそうだ。