マリナーズ菊池雄星投手(29)が27日(日本時間28日)、パドレス戦のダブルヘッダー第2試合(7イニング制)に先発し、5回7安打3失点と踏ん張り、今季5試合目で初勝利(2敗)を挙げた。最終回には今季から新加入した平野佳寿投手(36)が救援。初のリレーが実現し、チームの勝利に貢献した。

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最終回となった7回、無失点で締めくくった先輩平野の姿を、菊池は感慨深く見つめていた。3点リードの5回を3失点、81球を投げ終え、救援陣にマウンドを託した。第1試合は7回裏2死から4点リードを守れず、逆転サヨナラ負け。だが、第2試合ではコロナ感染で苦しんだ平野が、菊池の白星を手繰り寄せてくれた。「ちょっとグッと来るものがありました」。5戦目でつかんだ今季初勝利は、菊池にとって忘れられない白星となった。

初回、味方打線が6点を先制。援護を受けてマウンドへ向かったが、1回にソロ、2回には3連打で2点目を失った。5回には連打で失点したものの、マチャドを併殺に仕留め、追加点を防いだ。「粘り強く投げられたと思います」。

菊池にとって、念願の日本人リレーだった。春季キャンプ中、平野は常にキャッチボールの相手でもあり、常に助言してくれる存在だった。「先輩ですが、壁をまったく感じさせず、優しく接してくれました」。キャンプ施設が閉鎖された中止期間は、互いに自宅のあるアリゾナ州内の公園などで一緒にトレーニング。フォークの投げ方を指導してもらうなど、公私ともに支えてもらった。その平野が、7月のキャンプ再開前にコロナに感染。一緒に開幕戦を迎えることはできなかった。

調整途上とはいえ、経験豊富な平野は、今後も基本的に勝ち試合で登板する見込み。菊池にすれば、リードを維持して交代することが、リレー再現の条件となる。「次の試合も同じような流れでバトンを渡せるように頑張りたいです」。同じ試合で菊池が白星を挙げ、平野がセーブを記録する日も、そう遠くない。

▼マリナーズ菊池が先発勝利を挙げ、平野が無失点リリーフ。同じ所属チームの日本人投手が先発勝利と救援登板は、17年9月25日パドレス戦の先発ダルビッシュ-2番手前田(当時ドジャース)以来。08年5月21日には黒田(ドジャース)がレッズ戦で8回2失点の先発勝利、2番手斎藤が1回無失点でセーブをマークした例がある。