【ピオリア(米アリゾナ州)21日(日本時間22日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、メジャーでは初の“リアル二刀流”で存在感を存分に発揮した。
「1番投手」でパドレス戦に先発。打っては第1打席で中前打を放つなど2打数2安打。投げては4回2安打1失点で5奪三振。3回にはメジャー自己最速を更新する101・9マイル(約164キロ)を計測した。コンディションを考慮しながら、固定観念に縛られないマドン監督と対話を重ねたことで実現したリアル二刀流。オープン戦の打率は6割3分6厘まで上げ、メジャー自己最速もマーク。大谷が、いよいよ乗ってきた。
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大谷の「1番投手」の起用法は、策士・マドン監督のシミュレーションの一環だった。「すべてにおいてとても良かった」。この日は、敵地での交流戦を想定。DHの際と同じ「3番」だった場合、もし3者凡退で終われば、攻守交代直後に慌ただしく1回裏のマウンドへ向かうことになる。「1番」であれば、ある程度の時間差が生まれる可能性は高く、投手への移行にも余裕ができる。今回は、大谷の投打のリズム、ルーティンをテストするための「1番投手」だった。
その裏には、本拠地での「DH解除」への伏線も見え隠れする。エ軍打線は、トラウト、プホルス、レンドンら右打者が並ぶ。同監督は「彼の攻撃力を最大限に生かしたい」と本音を隠さず、左のパワー打者でもある大谷のフル稼働が理想だ。「DH解除」への本気度は十分。本拠地試合では1回表に登板した後、すぐに打席へ向かう「1番」は非現実的で、相手投手次第で3~5番に据えるのが妥当となる。大谷の二刀流は、敵地で「1番」、本拠で「3番」が現実味を帯びてくる。【MLB担当=四竈衛】
◆策士マドン監督の常識破りの作戦
▽満塁敬遠 レイズ時代の08年。レンジャーズ戦で4点リードの9回2死満塁で、主砲ハミルトンを敬遠。1点を献上したが、後続を抑えて逃げ切り勝ち。
▽四球攻め カブス時代の16年。ナショナルズの主砲ハーパーに対し、3四球3敬遠1死球。「0打数7出塁」ながら、決定打を許さないことで勝利。4連戦の19打席で13四球(4敬遠)と徹底的に勝負を避けた結果、チームは4連勝。
▽外野手4人 エンゼルスのベンチコーチだった02年、ワールドシリーズで対決したジャイアンツの主砲ボンズ対策として、外野手4人を提案。カブス監督時代には自ら実施した。
▽救援投手2人を交互に起用 18年6月のブルワーズ戦で、右腕シシェック、左腕ダンシングを、相手打者に合わせて交互に起用。1人に投げると左翼に回り、再びマウンドへ向かう奇策で快勝。
▽投手8番策 カブス監督時代に実施。「9番投手」の場合、8番打者が敬遠されるケースが多いため。



