エンゼルス大谷翔平投手(27)がレッドソックス戦に「3番投手」で出場し、7回6安打無失点、無四球11奪三振で今季3勝目(2敗)を挙げた。打席では4打数2安打1打点で6試合ぶりのマルチ安打をマーク。聖地フェンウェイパークでの初登板は投打で躍動した。
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あくまで1人の選手として-。エンゼルス大谷翔平投手(27)にとって二刀流とは、1つの言葉という概念でしかないのだろう。前日、延長戦となったナイターにフル出場してから、デーゲームでの登板。マドン監督ですらコンディションを案じたが、ふたを開けてみれば、ストライク率(81・8%)や空振り数(29)でメジャー自己ベストを更新し、強力レッドソックス打線を圧倒した。
体への負担はないのか-。周囲が心配する理由は“二刀流だから”だろう。だが、大谷の頭にはその考えがないと言える。振り返れば、似たようなケースが何度かあった。直近では4月20日、「1番投手兼DH」で出場したアストロズ戦。相手投手の乱調で1回に2度打席が回り、2打席目は適時二塁打を放った。登板への影響に疑問を感じた記者から「投げるまでに2回も打席に立った。疲れとかはなかったか」と質問され、淡々とこう答えた。
「何回、打席が回ってきても、たとえ(出塁した)塁からそのままマウンドへいっても、それで打たれたとしても、そのせいにはしないですし、特に何も考えないようにしてます」
昨年7月26日に投打で出場したロッキーズ戦は、1イニング目に安打で出塁。その後、何度もけん制されながら盗塁を成功させた。試合序盤から打って、走って、その後の登板への影響はないのか-。大谷は「そのせいで打たれたとか、リズムが崩れたとか、そういうことは特にないかなと。二塁にしっかり進むことの方が、自分が投げていく上で重要」と語った。
この日のレッドソックス戦もピンチではギアを上げ、大声でほえ、何度も力強いガッツポーズを見せた。投打でフル稼働のパフォーマンスをたたえられるが、大谷自身は試合に出る以上、あくまで1人の選手として、当然のようにプレーしている。もちろん、二刀流の道を選んでいる状況で、一切の言い訳をしない覚悟もあるだろう。“二刀流だから”なんて先入観はいらない。そんなメッセージにも感じる、全力プレーだった。【斎藤庸裕】



