大谷翔平(29)が山本由伸投手(25)の実力を評価し、常勝ドジャースのワールドシリーズ制覇に必要な戦力と感じていたのは明らかだった。詳細は不明だが、ド軍と山本の交渉の場に同席。メジャーリーグに挑戦した先輩として、生活を含めた環境面や日本とは異なるメジャーの野球への対応など、山本にとっても心強い存在になるだろう。

大谷は18年からメジャーに挑戦。同年にオリックスで中継ぎから頭角を現した山本とは1度だけ対戦し、さほど接点はなかったが、今年3月のWBCで両者の野球人生が交錯した。侍ジャパンの同僚として、ともに3月17日にフロリダ州マイアミ入り。18日、準決勝登板へ向けてブルペンで調整する山本を、後ろから見守る大谷の姿があった。

同日の夜には、ヌートバー(カージナルス)、村上(ヤクルト)、宮城(オリックス)らと会食した。ビーチ沿いの高級日本料理店で、米国代表対ベネズエラ代表の準々決勝を観戦。大谷は「由伸が連れて行って欲しいという感じだったので、まぁしょうがなく、行った感じですかね」と笑いながら、きっかけを明かした。後輩におねだりされ、うれしそうでもあったが、からかいを込めたコメントを残すあたりが、大谷らしくもあった。それだけ、打ち解けていたのだろう。

国際大会の実戦で堂々たる結果を残し、各国の強打者に立ち向かう山本の投球は、頼もしく映ったに違いない。大谷が10年、山本が12年契約。常勝が求められるド軍を、日本人コンビが支えていく。WBC世界一をともに味わい、一致団結した2人には、既に固い絆がある。【斎藤庸裕】