【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、ダブルで節目の記録に到達した。
パドレス戦に「2番DH」で出場し、第1打席で左中間へ今季4号ソロ。ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏に並ぶメジャー通算175本とし、第3打席の二塁打で日米通算1000安打をマークした。この日は元通訳の水原一平容疑者(39)がロサンゼルス地裁に初出廷。衝撃的な一件の事態が動き始める中、集中力を維持した大谷が3本の長打で持ち味を発揮した。
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大谷は野球に完全に集中していた。大歓声で迎えられた第1打席。2球目、キングの外角95・4マイル(約153・5キロ)の直球を完璧に捉えた。逆方向への強烈な一撃。ストライクゾーンから外れていても、ロックオンした大谷には関係ない。左中間席で弾む打球を見届け、右手人さし指を掲げた。日本人最多タイの通算175本目。特別な1発に「率直にうれしいですし、個人的にももちろんうれしいですけど、日本の野球界にとっても大きい」と、その価値を語った。
雑音に惑わされず、自分らしさを発揮した。前日、元通訳で練習パートナーでもあった水原容疑者が銀行詐欺罪で正式に訴追された。事実を認識していても、フィールドに上がれば仕事人。ロバーツ監督から「彼はプロだし、ただ野球をプレーすることを望んでいる」と信頼され、全力のパフォーマンスで応えた。「1人1人が仕事をしている中で、競った試合で落としてしまったのはもちろん残念ではありますけど、比較的いい粘りだったと思うので、切り替えて明日また頑張りたい」。前を向き、いつも通りに挽回を誓った。
歴史を築いた先輩へのリスペクトも欠かさない。野球少年の頃から松井氏の背中を追い、夢を描いた。「長距離バッターとして、僕が小さい頃からずっと見てきたし、同じ左バッターとして憧れるような存在でもあったので、そういう方に記録で並べたのは自分にとってはすごく幸せなこと」。一方で、まだ29歳の大谷はド軍と10年の契約がある。「個人的にはまた次の1本っていうのが基本的な考え方ですし、1本打ったらまた次の1本が大事」と、慢心は皆無。向上心あふれる姿勢で、先を見据えた。
第3打席は左翼線へポトリと落ちる二塁打で日米通算1000安打に到達。節目の数字にも「アウトになっている打席もいいっていうのが一番」と、結果よりも各打席の内容にこだわった。過去に日本人投手の多かったド軍では、4本塁打が野茂英雄氏と並んで日本人最多タイ。さすがに把握していなかった様子で「分からないです、アハハハ」と笑った。試合後の囲み取材で響いた独特の高笑い。ダブルの節目を勝利では飾れなかったが、野球を思う存分、楽しむ大谷がいた。
▽松井秀喜氏 大谷選手は昨年、メジャーリーグでホームランのタイトルを取ったほどのパワーも技術もある選手です。私のメジャーリーグで打ったホームラン数は私自身誇れる数字ではないと感じていますので、今後も大谷選手が200、300、400本と日本の野球ファンの皆さまが喜ぶ数字を残していく事を私も応援しております。
▽ド軍山本(大谷が松井秀喜氏の記録に並び)「松井さんは僕が子供の頃からずっと活躍していた方で、すごさは十分に分かっているので、そこに翔平さんが並んだのはすごいことだと思います」



