<ナ優勝シリーズ:ドジャース1-5フィリーズ>◇第5戦◇15日(日本時間16日)◇ドジャースタジアム

 プレーオフ2勝を挙げていたド軍黒田博樹投手(33)は第6戦先発予定だったが、夢かなわずメジャー1年目を終えた。

 終わった実感はなかった。歓喜に沸くフ軍ナインをよそに、黒田は目まぐるしかったメジャー1年目を思い起こした。

 黒田

 思った以上にハードでしたが、優勝できたしシャンパンファイトも2回できた。負けたのは悔しい。ただ終わってみれば充実した1年でした。

 2月の春季キャンプから約8カ月間。慣れない米国での新生活の中、常に野球のことだけを考える毎日だった。6月には右肩痛で戦列を離脱。復帰しても報われない好投が続き、結局9勝10敗。それでもプレーオフは2戦2勝。「初めてのプレーオフで2回ともチームに勝ちがついて、野球人生の中でプラスになると思います」。

 今シリーズで登録から外れた斎藤は、冷静にメジャー3年目を振り返った。7月に右ヒジ痛を起こし、約2カ月間チームから離れた。個人としては納得のいかない成績だったが、ド軍の一員としてチームの成長は何よりの喜びだった。「チームが良かったんで、いいシーズンと言っていい。チームが強いとうれしいものですから」。来季へまずは休養を最優先し、その後、強化やトレーニングを開始する。「また来年、こういうチャンスがあれば、今度は万全の態勢で臨みたいです」。Wシリーズを逃した悔しさの一方で、2人には充実感ものぞいた。