<ワールドシリーズ:フィリーズ10-2レイズ>◇第4戦◇26日(日本時間27日)◇シチズンズバンクパーク

 レイズ先発のソナンスタインが短期決戦の大舞台で冷静さを失った。1回裏、1死一、三塁で完ぺきに打ち取った正面の投ゴロを捕るとソナンスタインは一瞬たりとも二塁方向を見ることなく、三塁走者ロリンズを深追いしてしまった。ギリギリのタイミングで送球を受けたロンゴリア三塁手がダイブして手から帰るロリンズの臀部(でんぶ)に辛うじてタッチ。しかし、三塁塁審の判定はセーフで1死満塁とピンチを広げた。モニター画面にはタッチする瞬間が鮮明に映り、アウトに見えた。不運ではあった。

 が、状況を考えればソナンスタインのボーンヘッドは否めない。ゴロを打ったのは足の遅い4番のハワードであり、遊撃のバートレットが、ハワードシフトで二塁ベース近くにいた。振り向いて投げさえすれば楽に投-遊-一の併殺が成立していたはずだ。1死満塁として、5番バレルには自己初となる押し出しの四球で先制点を与えてしまった。冷静さを欠いた1つのミスから相手に流れを渡したソナンスタインは今シリーズでレイズ先発投手最短の4回で降板し、プレーオフ自身初の黒星を付けた。(木崎英夫通信員)