ソフトバンク武田翔太投手(22)が9回3安打無失点の好投も打線の援護に恵まれなかった。それでも、収穫いっぱいだった。「勝負球でヨシボールが使えた。ペーニャ以外の三振はそれだった」。この日奪った三振は7つ。ペーニャの3つは135キロ前後の外に横に逃げるスライダー。それ以外の4つを新球ヨシボールで奪った。

 初回、先頭の松井稼にいきなり勝負球として使用し空振り三振を奪った。125キロ前後でフォークボールのように落ちる。佐藤投手コーチが現役時代に得意にしていた球。親指と人さし指、中指で挟み、手首を固定したまま投げる。

 器用な男だ。2日前にコボスタ宮城のブルペンで「勝負球が欲しい」と佐藤コーチに直訴し伝授された。昨年までの決め球、縦に大きく曲がるカーブは今季は研究され、狙われる。その中であっさりと新しい決め球を覚えた。3日に22歳になったばかりの右腕にとって今季への自信を深める快投となった。【石橋隆雄】