阪神西岡剛内野手(32)が不退転の背番号変更だ。22日、背番号7から5に変わることを発表。オリックスからFAで新加入する糸井に譲る格好で、大阪市内のホテルで行われた球団納会前に思いを明かした。「この世界は自分より実績がある選手が、よそから来るとなれば、こういう状況になるのは重々、分かっている」。

 親交がある糸井とも連絡を取り、「7番を希望するなら、気分よく着てください」と背番号を譲る意思を直接、示したという。「糸井さんとは仲良くしていたので。チームの戦力になる人。僕自身、負けずにチームの戦力になりたい」とうなずいた。今季は7月に左アキレス腱(けん)を断裂し、その後はリハビリに専念。歩行やバットの素振りを違和感なく行えるようになり、回復は順調だ。

 西岡にとって「7」は愛着のあるラッキーナンバーだ。7月27日生まれ。ロッテ入団時からつけた。米大リーグのツインズでは1を背負ったが、13年に加入した阪神でも藤川俊介から譲り受けて、再び着用した。

 「僕も阪神に来るとき、背番号7の選手がいたなかで譲り受けた。(糸井さんに)気分よくやってほしいし、僕も気分よくスッキリしている。新しい背番号で、来年頑張りたい」。

 この日は公式フェイスブックも更新。「復帰時期などは自分でも見えません、しかし絶対グランドに戻って僕のプレーを見てもらえる自信はあります!」とつづった。新背番号5のイメージはないという。「どんな番号をつけても似合う選手、結果を出したい」。絶望からはい上がり、前だけを見ていた。【酒井俊作】

<阪神の背番号5列伝>

 ◆藤本勝巳 59年巨人との天覧試合では、2ラン本塁打の活躍。60年には、22本塁打と76打点で2冠を獲得した。国民的歌手の島倉千代子と結婚するなど、話題をさらった。

 ◆新庄剛志 92年に1軍昇格し、背番号63で優勝争いの立役者に。93年から背番号を5に変え、スターの座を不動にした。強肩好守で救ったピンチは数知れず。99年巨人戦での敬遠球サヨナラ打など、伝説のエピソードを誇る。

 ◆平野恵一 浜中らとのトレードで07年オフにオリックスから移籍。10年の打率3割5分はリーグ2位。二塁と外野を掛け持ちするユーティリティーで活躍した。

 ◆マウロ・ゴメス 14年に加入し、いきなり26本塁打、109打点の活躍で打点王。15年以降は波が激しく、今季限りで退団。