昨季限りで現役を引退した元ロッテ外野手の大村三郎氏(40=登録名サブロー)が、ロッテのスペシャル・アシスタント(SA)に就任することが29日、分かった。新設されるSAとして野球に携わり、そこで広めた知見を球団に還元していく。ロッテを愛してやまない男が「ロッテを日本一の球団にする」という夢の実現へ、動きだす。

 サブローの第2の野球人生が決まった。大村氏は新設されるスペシャル・アシスタント(SA)に就任する。「アシスタント」は日本語で言えば「助手」。ロッテが強くなるために必要な、あらゆるサポートを行う。現時点の具体的な活動としては、高校、大学、社会人などのアマチュア野球や、米国に限らない海外の野球を視察することが考えられている。そこで得たものを球団に還元。高所、大所から助言を送る。

 大村氏は昨季限りで22年にわたる現役生活に終止符を打った。PL学園から94年ドラフト1位でロッテ入団。「つなぎの4番」として、05年、10年の日本一に貢献した。11年のシーズン中に巨人にトレード移籍したが、シーズン終了後にFA宣言してロッテ復帰。それだけ、ロッテを愛していた。ベテランとなってからも勝負強い打撃は健在で、強力なリーダーシップと存在感でチームを支えてきた。記憶に残る選手として、多くのファンに愛された。

 ファンの脳裏には、昨年9月の引退セレモニーでの言葉が刻まれている。「プロ野球選手になる」という夢はかなえたが、もう1つの夢があるとして、こう明かした。

 「この千葉ロッテを日本一の球団にすることです。その夢に向かって勇往まい進してまいります」

 盟友である福浦と球団の所在地である千葉・幕張に少年野球チームを創設するなど、野球を通して地元を盛り上げたい意向も持つ。今後はSAとして、ロッテに貢献していく。