決勝は59年ぶり4度目の優勝を目指す立大(東京6大学)と、初の日本一を狙う国際武道大(千葉県)の対決になった。立大は田中誠也投手(2年=大阪桐蔭)と中川颯投手(1年=桐光学園)の継投で、東海大北海道(札幌学生)を0封し、1-0で勝利。国際武道大は延長10回タイブレークの末に、上武大(関甲新学生)を3-2で下した。

 強心臓の“師弟コンビ”が、立大を59年ぶりの決勝へ押し上げた。2年生左腕の田中誠、1年生右腕の中川の継投で、初回に奪った1点を守りきった。溝口智成監督(49)は「田中は粘り強く投げてくれた。中川はピンチでスイッチが入る。度胸がある」と、0封リレーの下級生両腕をたたえた。

 サブマリンの中川が“兄貴”の好投に応えた。田中誠とは休みの日も一緒に過ごすことが多い。帽子のつばに「魂」と書いたのも中川だ。8回2死一、三塁。左手中指のマメをつぶしながら3安打に抑えた先輩の後を託された。「(田中誠から)細かいことを考えず、思い切り腕を振って来いと言われた」。直球で中飛に打ち取り、9回も2者連続三振を奪い3者凡退で締めた。

 中川は準々決勝の天理大戦でも4回途中からロングリリーフ。延長10回タイブレーク(1死満塁から攻撃)を無失点で切り抜け、ハートの強さを見せつけた。この日、強力打線がわずか2安打に抑え込まれたが、鉄壁の投手陣が踏ん張った。中川は「プレッシャーが自分の力以上のものを出させてくれる。先輩たちが優しくてやりやすいチーム。優勝したい」と59年ぶりの優勝へ、扉をこじ開ける。【和田美保】