152キロの直球に豪快に空振りした。9回2死一、二塁、4番に入ったソフトバンク柳田が空振り三振に倒れ、巨人菅野に完投を許した。わずか3安打で1得点。7回までは1安打投球をされた。工藤監督は「いい投球をされてしまった。失投が少ないので苦労した。うまくかわされた」と相手をほめるしかなかった。ミーティングでは、菅野が前回6日の西武戦で6回5失点した時の映像から対策を立てた。だが、この日は攻め方がまるで逆。最後までつかまえ切れなかった。

 4番内川、5番デスパイネの不在が響く。2人合わせて96打点の得点源がない。この日、今季初の4番に入った柳田は3三振を含む4打数無安打。柳田は「(菅野は)制球がめちゃくちゃよかった。(内川、デスパイネ不在に)何とかしようと思ってやっています」とナインの気持ちを代弁するように話した。

 頸椎(けいつい)捻挫の内川は、この日から福岡・筑後市のファーム施設でリハビリ。11日阪神戦で右太もも裏を肉離れしたデスパイネは、15日まで自宅で静養し16日からリハビリを始める。三森トレーナーは「(肉離れの)3段階あるうちの一番軽度のもの」と説明した。だが、母国キューバのラジオ局によれば、日本駐在大使のカルロス・ヘルナンデス大使が「復帰まで最低25日かかる」と明かしたと報じている。その場合、2軍での実戦調整も含め、前半戦はデスパイネ抜きで戦うことになる。巨人に14年6月22日以来3年ぶりに敗れ、同カードの連勝は6でストップした。鷹に訪れた故障渦の試練。首位楽天とのゲーム差は2・5に広がった。【石橋隆雄】