広島丸は、味方打線が手玉に取られたバンデンハークから3打席連続本塁打で意地を見せた。1回はスライダーを左翼へ。4回は153キロを捉えて左中間へ放り込んだ。6回は甘く入った真っすぐを逃さず再び左翼席に突き刺した。「3つともいいスイングができた。ある程度甘い球をしっかり1発で仕留めることができた」。3連発はいずれも左翼から中堅方向。「逆らわずにいい形で入っていけた」。基本に忠実な打撃で打線を鼓舞し続けた。

 投手との戦いはネクストバッターズサークルから始まる。素振りの前に、右手1本で持ったバットを立て、右目でバット越しに投手をにらむ。「利き目は右なんですが、左目に焦点が合うことがある」。獲物を逃さないルーティンを確立し、今季は打撃3部門でリーグ上位にランクインし、交流戦でも4割9厘と高打率をマークする。

 緒方監督も「すごい集中力だった」と感心。だが、丸の3連発も実らず、チームの連勝は3で止まった。敗れたソフトバンクに交流戦の勝率で並ばれ、交流戦1位のためには残り2試合負けは許されない。丸は「今日はやられたので、しっかり切り替えてまた明日やるしかない」と前を向いた。【前原淳】

 ▼丸が3打席連続本塁打。1試合で3打席連続本塁打は16年6月26日ギャレット(巨人)以来で、広島では12年5月8日ニック以来5人、6度目。交流戦では06年5月9日ラロッカ(ヤクルト)同年6月17日カブレラ(西武)07年6月19日セギノール(日本ハム)に次いで4人目となり、日本人選手では初めてだ。試合は3-5で敗れ、これで広島の選手が3打席連発した試合は1勝5敗。3打席以上の連続本塁打選手が出た球団は94勝19敗と大きく勝ち越しているのに、広島は3打席連発がなかなか白星に結び付かない。