ハンター丸だ! 広島丸佳浩外野手(28)が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク1回戦で自身初の3打席連続本塁打を記録した。広島打線がソフトバンク・バンデンハークの前に抑えられる中、左へ中へ、そして左へとアーチを描いた。交流戦では日本人初の3打席連発も勝利にはつながらず、連勝が3で止まった。球団初の交流戦1位となるためにも、残り2戦を必勝態勢で臨む。

 とらえた獲物を逃さない。丸は、味方打線が手玉に取られたバンデンハークから3打席連続本塁打で意地を見せた。1回はスライダーを左翼へ。4回は153キロを中堅左へ放り込んだ。6回は甘く入った真っすぐを逃さず再び左翼席に突き刺した。球団では12年5月8日阪神戦(ハードオフ新潟)のニック以来、自身初の1試合3連発も、チームの勝利にはつながらなかった。

 「3つともいいスイングができた。ある程度甘い球をしっかり1発で仕留めることができた」

 序盤の劣勢をはね返そうと、1人気を吐いた。難攻不落の右腕攻略にはミスショットしてはいけない。3連発はいずれも左翼から中堅方向。「逆らわずにいい形で入っていけた」。基本に忠実な打撃で打線を鼓舞し続けた。

 投手との戦いはネクストバッターズサークルから始まる。素振りの前に、右手1本で持ったバットを立て、右目でバット越しに投手をにらむ。「利き目は右なんですが、左目に焦点が合うことがある」。獲物を逃さないルーティンを確立し、今季は打撃3部門でリーグ上位にランクインし、交流戦でも4割9厘と高打率をマークする。

 孤軍奮闘の働きに指揮官も目を細めた。「気合が入っていた。すごい集中力だった」。だが、丸の3打席連発も実らず、チームの連勝は3で止まった。敗れたソフトバンクに交流戦の勝率で並ばれ、交流戦1位のためには残り2試合でもう負けられない。緒方監督は「全然意識していない。1戦1戦、戦っていくだけです」と平常心を貫き、丸は「今日はやられたので、しっかり切り替えてまた明日やるしかない」と前を向いた。チームの再浮上、そして可能性を残す交流戦最高勝率へ、ハンター丸がチームをけん引する。【前原淳】