負けを糧に、大きく育て! 先発した阪神ドラフト2位の小野泰己投手(23=富士大)は、楽天岸と互角に投げ合った。パ・リーグ首位の楽天打線に6回1点を奪われたものの、自身最長タイの7回を最少失点で投げきった。 「前は立ち上がりが悪かったので、テーマとして取り組んでいた。低めに集められました」。3敗目を喫したが、前回先発で6つあった四球は1つだけと大幅に改善された。

 金本監督も「だいぶ改善されてきている。上がり目は十分にある」と修正を評価。一方で、将来ある右腕に厳しい指摘も忘れなかった。「あの1点も、まあアンラッキーな1点に見えたけど、やっぱり四球がね。結果的に見れば、四球からの失点ということで」。リーグ戦再開後もローテーションの一角を任せる方針で、27日からの中日3連戦で先発するとみられる。高いレベルの要求は期待の大きさの表れだ。

 小野自身ベンチで勉強することもできた。身長184センチ、体重75キロとすらっとした体形の本格派。出身大学が東北地方であることなど岸と共通点が多い。「マウンドでの技術、打席に入って実際に見られていい勉強になりました」。岸に負けじと腕を振った。

 この日は父の日。スタンドで観戦した父勝己さんを「白星より試合を作ってくれたら十分ですよ」と喜ばせた。今後も1軍での戦いが続く。「(今日の投球を)続けられるように練習したい」と小野。次戦こそ白星をつかみにいく。【山川智之】