ソフトバンク松田宣浩内野手(34)が、101人目となるプロ通算200号本塁打を放った。4回にリードを5点に広げる中越え12号3ラン。左翼ポール際への特大飛球がリプレー検証の末、ファウル判定となった直後のボールをホームランテラス席に運んだ。これでチームは今季最多の貯金19。この日試合のなかった首位楽天とのゲーム差を1に縮めた。

 松田が研ぎ澄まされた集中力で打ち直した。2-0の4回無死一、二塁、フルカウントからホームランテラス席への中越え12号3ラン。直前に左翼ポール際に放った大飛球はリプレー検証となるも、ファウル判定のまま。「より集中力を高められる時間になった」と、今度は中越えに飛ばした。8日ヤクルト戦以来、13試合、51打席ぶりとなる1発で、待ち望んでいた200の節目を飾った。

 「前の打球は悔しかったが、次の球で本塁打というのも僕らしかった。野球では三振の前のバカ当たりというが、本塁打で皆が喜んでくれてよかった。200本目がなかなか出ず、モヤモヤしていたが、打ててうれしい」

 単打を打てばサイクル安打となる8日の最後の打席で当てにいく打撃をした結果、調子を落とし、本塁打からも遠ざかっていた。今季は調子の波が激しい。5月は打率3割4分4厘、8本塁打。「あの5月はどこにいったんや?」と、ボヤくこともあったが、去年のような振り上げるイメージのスイングに戻し復調した。

 「本塁打や打点は減らない。減らないものを増やしていきなさい」。松田が、当時監督だった王会長からもらった金言だ。プロ12年目になっても「上下する数字(打率)は気にせず、増えていく本塁打と打点を積み重ねていきたい」と、868本塁打を放った「世界の王」の言葉を忘れない。