首位楽天が粘り強さを見せた。1日のソフトバンク戦。5回表に9-4とリードされた楽天は、直後の裏の攻撃で4点を奪い1点差に迫った。2点差とされた7回にも、指名打者の7番ジャフェット・アマダー(30)の8号ソロで再び1点差とした。2位ソフトバンクとの首位攻防第2戦は9-10と敗れて、連勝は4でストップ。ゲーム差は再び0・5に縮まったが、最後まで食らい付いた。

 今季1度も首位を譲ったことのない楽天の意地だった。1点を追う8回に1死一、二塁のチャンスをつくり、ソフトバンクの守護神サファテを緊急登板させた。抑えの切り札は9回も続投して、今季初のイニングまたぎ。梨田監督は「サファテを1回2/3投げさせたのは、あっちも慌てているところがあると思う」と、選手の勝利への執念を感じ取った。

 2番ペゲーロが3回に2点二塁打、4番ウィーラーは、同じ回に一時勝ち越しとなる2試合連続の16号2ランを左翼席に放り込んだ。7番アマダーは5回に右前タイムリー、7回は中越えに豪快なソロアーチをかけた。梨田監督は「外国人がよく打ってくれた。アマダーもよく打ってくれた」と評価。3人がそろって打点を挙げたのは5月31日の巨人戦以来約1カ月ぶりで、今季4度目になった。

 18本塁打のペゲーロ、主砲ウィーラーより影の薄かった、アマダーの復調気配は明るい材料になる。5回の適時打を「つなぐことだけを考えていたよ。なかなかチームに貢献できていなかったので、役に立ちたかったんだ」とホッとした表情を見せた。昨年は8月に3試合連続を含む月間8本塁打と量産。気温の上昇とともに調子が上がる。ウィーラーも「暑いのは好きだからね」と笑った。

 7勝を挙げている先発美馬が5回2/3、10失点でKOされた試合を、打線が粘った。8回には途中出場の6番今江が、サファテからあと少しで逆転3ランとなる当たりを右翼ポール際に運んだ。「ポールに当たってくれればと思っていた」とプロ16年目のベテランは悔しがったが、4時間26分の激闘は2万6383人のファンを楽しませた。ソフトバンクとのゲーム差は再び0・5に縮まった。今日2日は「サンデー岸」を先発に立て、必勝を期す。【久野朗】