左太もも裏肉離れから復帰後、初めて本拠地・札幌ドームの打席に立った日本ハム大谷翔平投手(23)だったが、スタンドの大声援に応えることはできなかった。ソフトバンク13回戦(札幌ドーム)で、3点を追う6回1死二、三塁の好機に代打で登場。1発が出れば同点の場面だったが、浅い左飛に倒れた。チームは4連敗で、借金は栗山英樹監督(56)の就任後ワーストを更新する「17」となった。

 地響きがスタンドを揺らした。大谷が、復帰後初めて、本拠地・札幌ドームの打席に向かう。3点を追う、6回1死二、三塁。切り札の登場に、空気は一変した。高まる期待感。だが打ち上がった打球は、力なく左翼手のグラブにおさまった。「何とか打ちたかった。打ち損じですけど、(相手に)いいところに投げられた。明日切り替えて頑張りたいです」。連敗は、4に伸びた。

 直前で、相手は東浜から、変則左腕の嘉弥真に代わった。外角へ4球スライダーが続いた後、内角へ直球が2つ。「(左キラーを相手に)通常より難しいとは思うけど、それなりに(球は)見えていた方」。ファウルで粘り、フルカウントまで持ち込んだが、最後はボール気味の131キロスライダーに手が出た。「一塁が空いていたので、歩かせもいいというくらいの気持ちで来ていたのか、それはわからないけど、対応できなかった」と唇をかんだ。

 借金は栗山監督就任後ワーストとなる「17」に膨らんだ。「願い事がありすぎて、困っている」。7月7日は七夕。試合前、苦しい戦いが続く現状を嘆いていた指揮官だが、夜空に輝く星にこの日も願いは届かなかった。

 大谷は今日8日も野手での出場が濃厚。栗山監督は「みんな勝とうと一生懸命やっている。悪いのはこっち」。1年に1度の織り姫と彦星の再会とは違う。やり返すチャンスは、すぐに巡ってくる。【本間翼】