痛恨の継投失敗で、ソフトバンクの前半戦の首位ターンがなくなった。9回にデニス・サファテ投手(36)が勝ち越し点を奪われ、楽天2連戦初戦に競り負けた。6回終了時にリードしている試合は開幕から40連勝中だったが「神話」がストップ。4点差を逆転されて負けたのも今季初のことだった。

 先発石川が右手中指の指先の皮をはがし、救援陣の登板が7回からに前倒しとなった。森が1死一塁と走者を残し、左腕の嘉弥真が誤算だった。島内に四球、ペゲーロに一塁内野安打を許し、内川の悪送球で1点を失う。さらに二、三塁で2死までこぎ着けたが、4番手の五十嵐が2球目を投げた後に左太ももを痛めるアクシデント。急きょ登板した岩崎がウィーラーに2点適時打を浴びた。五十嵐は、福岡市内の病院に行き、左太もも裏肉離れと診断された。全治2、3カ月の重傷で今季の復帰は厳しい状況となった。

 9回にサファテが打たれ、今季初黒星を喫した。工藤監督は「サファテは責められない。責めるつもりもない。岩崎は無理をさせているところで、また無理をさせてしまった」と言葉をしぼり出した。

 ここまでリリーフ陣がフル回転してきた。森38試合、サファテは35試合に登板。岩崎はこの日が42試合目。38歳の五十嵐はこの日が39試合目だった。試合後、五十嵐の重傷を聞いた工藤監督は「一生懸命やって、やったこと。本人が一番つらいと思う。みんなでカバーしてやっていきたい」と前を向いた。五十嵐の代わりに加治屋の昇格を決めたが、後半戦へ向け、救援陣の再整備が急務となった。【石橋隆雄】