虎の新助っ人が、球団史の節目にその名を残した。阪神ジェイソン・ロジャース内野手(29=パイレーツ3A)が第100代の4番として、スタメン出場した。2回に内角球を中前に運び、8回には三遊間を破った。主軸の重圧とは無縁でマルチ安打を記録。「何も変わらないよ。向こう(米国)でも打ったことがある」。マイナーでも務めた経験があり、余計な力が入ることはなかった。

 結果さえ残せば、4番就任は時間の問題だった。金本監督はジグザグ打線を理想にしており、右打者が中心に座ると収まりが良くなる。この日は福留を3番に配置。先を見据えたベテランへの配慮もあった。

 「いろいろ流れがあって、特に理由はないが、孝介も休みを作ってあげないと。右(投手)が続いて、3連戦、3連戦で無理してもらったけど、いいパフォーマンスが出るような状態を、こっちが作ってあげないと。もっと生きる選手だから、休みさえしっかり取れば」。夏場の6連戦はしっかりと休養日を与える方針。ロジャースが4番で起用できれば、打線の編成を考えても大きい。

 結果を残す上で必要な対応力も見せた。相手投手が内角を突くシーンも増え始めた。「内角が多くなってきたが、修正して打てた」とロジャースは言う。来日5試合で17打数7安打、打率4割1分2厘に2本塁打。滑り出しは上々だ。

 「自信がついたよ。シーズンが終わって、満足できるかどうか。自分ができることをやっていきたい」。本物の救世主になる予感を漂わせた。【田口真一郎】