ソフトバンクが今日25日から、Koboパーク宮城で楽天との首位攻防3連戦に臨む。第1戦は、プロ5年目で初の10勝目を狙う東浜巨投手(27)だ。現在、楽天とは1・5差。首位浮上には3連勝が条件となるだけに、負けられない大事な初戦になる。9勝で並ぶ則本との同学年対決を制し、奪首への道を切り開く。

 東浜は静かに闘志を燃やしていた。楽天との首位攻防戦を控え、24日はヤフオクドームで調整。約1時間のメニューを終えると、汗だくになりながら、翌日の登板について思いを巡らせた。

 「やることは変わらない。1つ1つの積み重ね。集中してしっかり全力で投げたい。目の前の1試合1試合でしっかり投げて試合をつくっていくだけ」。楽天はペゲーロ、岡島が負傷離脱したが、意識するのは自分の投球だけだ。

 Koboパーク宮城では13年のプロ入り以来5戦5敗、防御率5・86と決して相性はよくない。大きな鬼門にも「そんなの気にしていたら投げられない」と、邪念を振り払うように語気を強めた。蒸し暑さも懸念される屋外球場だが「暑さは意識しても仕方ない。その状況に合わせられるように。それを気にして投げているようではきつい」と、自分に言い聞かせるように言った。

 投げ合う同学年の則本を「理想型の投手」と明かす。亜大4年のとき、三重中京大の剛腕に衝撃を受けたという。「これは打てないな、と思った。直球も速いし、変化球もいろいろある。カウントも取れるし空振りも取れる。一番はタフなところ。目指すところかなと思う」。そうまで認める存在だからこそ、直接対決では負けられない。昨年4月15日、ヤフオクドームで投げ合い、勝ち星を手にした。今回、敵地で再現できれば、チームにとっても大きい。

 工藤監督もロースコアを予想する。「そうか、勝てば10勝か。それはいいですね。(投手戦となって)どっちに転ぶか分からないからね」とにやり。後半戦初の楽天との直接対決。V奪回の先頭に立つ東浜が、ペナントを左右するマウンドに向かう。【福岡吉央】