1位が遠のき、2位の座も危うくなってきた。阪神はDeNA今永を攻略できず、今季最少タイの2安打完封負け。首位広島に今季最大の10ゲーム差をつけられると同時に、DeNAには勝率で2位に並ばれた。金本知憲監督(49)はそれでも前向きな姿勢を崩さず「まだ何試合残ってんの!」。今日のゲームに向けて「打って(投手陣に)お返ししてあげないと」とリベンジを誓った。

 ついに並ばれた。虎の順位は「2位」から「2位タイ」に変化した。6月13日時点で最大8あったDeNAとのゲーム差が0に。3位転落の危機に立たされても、金本監督は苦笑いで語気を強めた。「まだ何試合残ってんの!」。ファイティングポーズは崩さなかった。

 1ゲーム差で迎えた3位DeNAとの3連戦初戦。後半戦7試合目で初めて福留を休養させ、1番上本、2番西岡の並びを試した。3番には好調をキープする大山を初めて抜てき。左腕今永対策で野手8人のうち7人を右打者で固めたが、歯が立たなかった。

 直球にはキレがあり、チェンジアップの“抜け感”も抜群。淡々とゼロを並べられ、7イニングでわずか3人しか走者を出せなかった。得点圏に走者を進めたのは、5回2死から8番坂本が左中間二塁打を放った1度だけ。指揮官もこの日ばかりは完敗を認めざるを得なかった。

 金本監督 今まで対戦した中で一番良かったんじゃないかな。チェンジアップがいい具合に抜けていて、抜け方が良かったというか…。高いところに来てたりはしたんだけどね、ちょっと合いづらかったという印象ですね。

 試合前時点で今永の今季VS阪神成績は3試合先発で1勝1敗、防御率6・19。決して相性が悪いわけではなかった。それだけに、今回は相手の状態に圧倒されたと表現するしかない。打線は今季最少タイの1試合2安打に終わり、DeNA3投手に計12三振を奪われた。今日26日の直接対決2戦目に向け、まずは気持ちの切り替えが必要になる。

 0対1で今季8度目の完封負け。次は打線の援護がほしい-、そんな問いかけに指揮官は同調した。

 金本監督 そうですね。打って(投手陣に)お返ししてあげないと。点を取って、しっかり守ってね。

 首位広島とのゲーム差は今季最大の10まで広がった。V奪回へ苦しい戦いは続くが、下を向いている暇はない。やられたら、やり返すだけ。今日の戦い方が重要になる。【佐井陽介】

 ▼阪神は最短で28日に自力優勝が消滅する。26、27日のDeNA戦に連敗し、28日の中日戦にも負け、その間に広島が3連勝すると、阪神が残り試合に全勝(100勝43敗、勝率6割9分9厘)しても、広島が阪神との直接対決以外に全勝したときの99勝42敗2分、勝率7割2厘を上回れないため。