阪神高橋の気迫が、侍JAPANの主砲を抑え込んだ。1点リードの7回2死三塁で、メンデスからバトンを受けた。一打出れば同点の局面。阪神ベンチから筒香斬りを託された左腕が、こん身の6球で応えた。

 4球連続直球でカウント1-2と追い込み、最後は140キロ速球を内角低めに投げ込んだ。打球は快音を残すも、二塁大和の真正面。キラーぶりを発揮した。

 「こういうところでしっかり投げられるように、これまでも投げさせてもらっているので」。25日も0-1の9回1死二塁で前打席に本塁打を放っていた筒香を空振り三振に抑えた。これで今季の対筒香は7打数無安打と完勝だ。

 8回は桑原が踏ん張った。遊撃北條の失策で1死二、三塁と広がったピンチ。梶谷、荒波を力で抑えきった。固唾(かたず)をのんで見守った金本監督も「さすが桑原だ」とうなった。

 マテオが出場選手登録を抹消され、再編成を余儀なくされた勝利の方程式。新8回の男・桑原までの継投が新たな課題だったが、メンデス、高橋で6、7回をつなぐ答えが出た。再び2位にはい上がり、先発の岩田に2年ぶりの勝利を贈った継投。「それが何よりも大きいです」。桑原は、チームと先発の勝ち星を喜んだ。【堀まどか】