反撃ののろしも新井だった。いきなり4点の大量失点を負った直後の1回、外角球を右前にはじき返す適時打で1点を返し、チームの士気を高めていた。

 前日の敗戦からマジック点灯の先にある連覇へ向けて、再出発を切った。だが、滑り出しでつまずいた。先発九里が1回に4失点の大乱調。勢いがそがれる投球にも、ベテランの集中力は途切れなかった。「取られた後すぐに1点返すことが出来て良かったです」。反発力が首位独走チームの強みだ。

 代打での出場が増えても、ベテランの存在感は変わらない。鈴木ら若い選手が助言を求め、ベンチでは誰よりも声を出す。11回2死二塁から白浜の左前打には思わずベンチを飛び出すほど。春季キャンプ中に後輩との会食時に伝えた「チームとしてやるべきこと」を率先して示している。ベンチやグラウンドでの立ち居振る舞いだけでなく、1点のための進塁打や次の塁を狙う積極的な走塁も、ベテランの姿に若手が学び、チームに浸透している。ベテラン新井には、有形無形の存在価値がある。

 延長12回の末に引き分けに終わったが、あらためて広島の粘り強さを見せつける試合でもあった。