ロッテはエース涌井秀章投手(31)が、背番号18を継承した西武多和田との投げ合いに敗れ、3カ月ぶりとなる同率5位浮上を逃した。

 0-0の3回、金子侑に高め直球を右翼席へ運ばれた。0-1のまま進んだ8回は、2死一塁から、秋山に低めのフォークを21号2ランとされた。

 涌井は報道陣に対応せず帰途に就いたが、伊東監督は「エースも我慢していたけど。今年は勝負どころでもろい。やられているケースが多い。あそこ(8回)も2死からで防げる1発。今年は粘りきれない」と苦言を呈した。

 リードした田村龍弘捕手(23)は、6月30日以来となる先発バッテリーを涌井と組んだ。秋山の本塁打は、カウント1ボール2ストライクから、低めのボールゾーンに落ちるフォークボールをすくい上げられたものだった。

 田村は「8回3失点は(数字だけ見れば)いいけど、秋山さんの本塁打は防げた。最悪一、二塁でよかった。一塁走者は(炭谷)銀仁朗さんで、走ってこない。ワンバウンドでよかった。ボール半個分でも1個分でも(さらに低く)しっかり投げさせればよかった。ボール球だったけれど、結果が本塁打では打者にとってボールじゃないかもしれない」と振り返った。

 カウント的には、あと2球、ボール球が使える場面でもあった。「3-2にしてもいいという攻め方は、ワクさんも分かっていた。外角の真っすぐでも良かったかもしれない」。23歳の若き頭脳派捕手は、勝負が決まった1球について、投手ではなく、自らのリードを責めていた。【斎藤直樹】