主役の1発だけでなく、メモリアルヒットもあった。3回1死二塁、陽岱鋼が左翼線へ強烈なライナーをはじき返した。二塁走者の小林が本塁へ生還。自身は二塁を狙いアウトになったが、288人目の1000安打を適時打で飾った。「阿部さんの2000安打を見ているので、僕はまだまだ。野手にとって2000は大きな目標。そこを目指したいです」と奮い立った。

 阿部は2000安打に続き、通算400号にも残り13本に迫る。だが今はチームの浮上だけを見据える。3位DeNAを18日から本拠地で迎え撃つ。「まだ(Aクラスの)チャンスが残っているから」と強烈に意識。高橋監督も「そこ(2000安打)がゴールだなんて本人が一番思っていないよ」と強調した。記録的一打の後も、主砲としての仕事にだけまい進する。【松本岳志】