日本ハムが最下位ロッテに3-4で競り負けた。先発高梨、2番手鍵谷がそれぞれペーニャに2ラン本塁打を献上。打線は9回2死満塁と逆転の好機をつくったが、あと1歩及ばなかった。栗山英樹監督(56)は複数選手の入れ替えを実施し、スタートさせた9月初戦は黒星。曜日別でも唯一勝ち越していた金曜日に敗れ、貯金の曜日がなくなった。

 舞台は整った。1点を追う9回2死満塁。1年目の石井一のバットに勝敗は託された。結果は初球を打って左飛に倒れたが、栗山監督は「初球からいけるようになってきた。野球は打ったり投げたりシンプルなスポーツ。よかったと思う」。シーズン序盤は考えすぎたまま三振を喫することも多かった。あと1本が出ずに敗れはしたが、今後を担う若手が貴重な経験を積み、その中で成長を感じさせてくれたことには納得もしていた。

 この日、ベテランの矢野、飯山が1軍の出場選手登録を外れた。故障ではない。指揮官は「野球の神様に大切な時間をいただいた。組織として前に進むため。こういう状況を変えなければいけない」。暦は9月を迎え、来季以降も見据えながらの戦略に大きくかじを切った。序盤戦はブルペンを支えた石川直もチームに合流。明日3日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初先発のマウンドに上がる。

 もちろん勝利は大前提。同監督は「こういう状況をつくりながら、勝たないと意味がないから」と話す。今季躍進している松本が2安打&好走塁、新人王翌年で苦しんできた高梨が粘投を見せても、接戦を落としたのは事実で「それは監督がヘボい」。実戦での貴重な経験も、勝敗によって価値は変わる。黒星には、苦い思いがついてまわる。

 シーズンは残り28試合。そこにはチームを強化していくうえで、優勝争いとは違う、大切さが詰まっている。「絶対に間違っちゃいけない。このチームを優勝するチームに、もう1回しなければいけない」。消化試合は、ひとつもない。【本間翼】

 ▼日本ハムが曜日別で2連勝中だった金曜日に敗れ、今季9勝9敗となり、勝ち越しの曜日がなくなった。水、木、金曜日が最も勝率が良く5割。火曜日は現在12連敗中。