虎退治でV一直線じゃ~! 今日5日からの阪神3連戦(マツダスタジアム)に先発する広島の投手陣が4日、マツダスタジアムで投手練習を行った。初戦のマウンドに立つ野村は平常心を強調。2年連続3度目の10勝もかかるマウンドだ。2戦目、3戦目はともに中5日で中村祐、ジョンソンが投げる。3戦全敗以外はマジックが再点灯する3連戦。連覇へ一気に加速だ。

 最高気温は27度まで落ち着き、飛び散る汗も少なくなった。静かな秋の気配同様、野村も泰然自若だ。今日5日の阪神戦先発へ向けマツダスタジアムで最終調整。いつもと同じく、ゆったりとしたフォームで感覚を確認した。重要な直接対決を前にしても「いつもと変わらずです。自分の投球をするだけです」と冷静な口調は変わらなかった。

 風格が漂っていた。現在9勝。2年連続の2桁勝利もかかる試合だが「チームが勝てればいいです」と興味を示さない。「残り試合もわずかなので、1試合、1試合を大事にしたい」と言葉をかみしめたのが、唯一の感情表現だった。阪神には今季2勝1敗。防御率は5・29だが「1試合、1試合で相手も自分も調子が違う。また新たな気持ちで」と意に介さなかった。勝ってマジック12を点灯させ、後輩にバトンを渡す。

 阪神は牙をむき出して襲いかかってくるはず。2戦目に中5日で先発予定の中村祐は「落とせない試合。しっかり結果を出したい」と力を込めた。阪神戦は7月19日に甲子園で登板。5回0/3を投げ4安打2失点で勝ち負けはつかなかった。印象を問われると「調子もいいと思うし、抜け目ない。下位打線も打っている。ピンチでどれだけ厳しいところをつけるか。強い気持ちを持って腕を振りたい」と自身に言い聞かせた。

 3戦目先発予定のジョンソンはルーティンを崩さず、登板前は口を開かなかった。大将もどっしり。緒方監督は5日の試合後に「常々言っているけど、相手どうのこうのよりも、1試合1試合を。残り試合も少ないし。我々の野球をやっていくだけなのでね」と語っていた。広島が横綱相撲で迎え撃つ。連覇へ、一気に加速する。【池本泰尚】

 ▼広島は今日5日の阪神戦に○または△のとき、今季4度目の優勝マジック点灯となる。○ならM12、△ならM13がつく。