中日のルーキー笠原が5回1失点と好投した。プロ初白星はつかめなかったが、2度目の先発、本拠地初先発で可能性を示し、今後の先発機会も確約された。

 「コースを狙いすぎて無駄なボール球が増えてしまった。先発の役目を果たせませんでした。一応、1点に抑えたのは自信になりました」。反省しながらも手応えは感じていた。

 初回2死満塁は安部をカットボールで左飛。3回2死一、二塁は今度も安部を直球で空振りさせた。直球の左右投げ分けに、チェンジアップで緩急をつけた。持ち味を発揮した。

 5回に菊池に先制のソロを浴びて、その裏に代打を出された。粘りに粘った結果、5回で96球。改善の余地を残したところに期待感も膨らむ。プロ1年目は中継ぎで13試合に登板し、前回1日の阪神戦(甲子園)で4回2失点の先発デビュー。着実に進歩している。

 森監督は「成長の跡は見える。救援とは違う攻め方をしているようにも見えた。経験を生かしている。次もチャンスがある」とドラフト4位左腕に希望を見た。若手投手の台頭は中日の大きな課題だ。残り17試合で借金17と5年連続勝率5割以下が決まったが、悲観する材料ばかりではない。【柏原誠】