中日藤井淳志外野手(36)がルーキーに初星をプレゼントした。先発のドラフト4位笠原祥太郎投手(22)は8回まで2安打無失点投球。だが中日も田口から点を取れず、0-0で8回裏を迎えた。

 先頭打者の笠原に代打が送られたため、この回で得点しないと新人左腕に白星がつかない。2死二塁から代打に出た藤井は、マシソンの低めに沈む変化球をすくい上げ、右越えの2ラン。ベンチに下がった笠原を大喜びさせた。

 藤井は「投手は、いい投球をしていても勝ちがつかないと、ずっと勝てないことがある。その意味でも、何とかしないと、という気持ちだった。あいつは僕のことを一生忘れないでしょう」と笑わせた。

 森繁和監督(62)は「藤井が打つとは誰も思っていないと思うけど、よく返してくれた。先発が頑張ってくれていたんで、何とかしてくれるだろうと思っていた。笠原はちょっと荒れているところとカットボールとチェンジアップが要所で決まっていたから、向こうも的を絞れなかったのかな。素晴らしい内容だった」と称賛した。