ロッテ井口資仁内野手(42)が新監督に就任することが23日、決定的となった。今季限りで伊東監督が退任。複数いた後任候補から一本化された井口は、球団の就任要請に前向きな姿勢を見せた。また、阪神今岡真訪2軍打撃兼野手総合コーチ(43)が今季限りで退団することが明らかになった。井口が正式に監督に就任すれば、ロッテの2軍監督として招くことになる。今日24日の井口の引退試合(日本ハム戦、ZOZOマリン)以降、チーム再建へ本格的に動きだす。

 晴れやかな表情だった。球団から新監督就任の要請を受けた井口は「言ってもらうのは、ありがたい。光栄なこと。明日(引退試合が)終わった後、ゆっくり考えさせてもらいます」と話した。球団は3年を基本とした複数年契約を用意。井口も「9年間、お世話になった。この位置にいるチームじゃない。常に優勝争いできるチームになって欲しい」とチーム再建の意欲は強く、明言こそしなかったが、受諾は決定的だ。

 正式就任すれば、阪神を退団することが明らかになった今岡コーチを2軍監督として招聘(しょうへい)する可能性が高い。球団がシーズン終了と同時に速やかにアプローチすると思われる。

 今岡とは同じ東都大学リーグ出身で同学年。良きライバルであり親友の間柄。96年アトランタ五輪では二遊間を組んで銀メダルを獲得。10年から12年までの3年間はロッテでチームメートだった。お互いを古くから知る盟友コンビでチームの立て直しに取り組む。

 その前に、選手として全うする。今日24日の引退試合へ向け、8月末から約1カ月、2軍で練習してきた。この日も午前7時28分、早々とロッテ浦和球場入り。全体練習前のウエートトレーニングというルーティンは、現役最終日前日も変わらない。室内で行われた練習中は、笑みが絶えなかった。「若い選手と交じって練習できて、良い経験が出来ました。いろんなことを聞いてくれた。どういう風に悩んでいるのか知って、勉強になりました」と、ひと回り以上若い後輩たちに感謝した。

 引退試合で何番を打つのか、また守備にも就くのか、未定だ。当日に伊東監督と話し合う。決めているのは、勝利の力になるということだけ。「出るからには戦力にならないと。決して消化試合ではない。まだまだ、順位がありますから」と強調した。5位日本ハムに勝てば、最下位脱出の望みが広がる。選手・井口の最後の仕事が待っている。

 ▼井口資仁(いぐち・ただひと)1974年(昭49)12月4日、東京都生まれ。国学院久我山2年夏に甲子園出場。青学大では東都大学リーグ最多の24本塁打を放ち、96年アトランタ五輪銀メダル。同年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)入団。01、03年盗塁王。01、03、04年にベストナイン、ゴールデングラブ賞。04年オフにダイエーを退団して渡米。05年、ホワイトソックスの2番・二塁に定着して88年ぶりワールドシリーズVに貢献。08年フィリーズでも、シリーズ出場はなかったが世界一。09年以降はロッテでプレー。13年7月26日、日米通算2000安打達成。178センチ、91キロ。右投げ右打ち。家族は夫人と1女。

 ▼今岡真訪(いまおか・まこと)1974年(昭49)9月11日、兵庫県生まれ。PL学園-東洋大を経て96年ドラフト1位で阪神入団。03年に首位打者、05年に打点王。両年の優勝に貢献した。12年にロッテで引退。16年から古巣の阪神でコーチを務めていた。通算1309試合、1284安打、122本塁打、594打点、打率2割7分9厘。現役時代は185センチ、83キロ。右投げ右打ち。