2軍降格中の阪神藤浪が、CSでの登板に望みをつないだ。ウエスタン・リーグの広島戦に先発。5回を投げ4安打6奪三振、1四球で1失点(自責点0)と安定感ある投球で、掛布2軍監督の“ラストゲーム”を飾った。

 両親も見守る前で、グイグイ攻めた。3回2死一、三塁。打席には、広島の大砲・エルドレッド。藤浪は初球からこの日最速の155キロで空振りを奪うなど、150キロ超を連発。最後は154キロで見逃し三振に切ってとった。久保2軍投手チーフコーチも「エルドレッドと自分の意思で勝負できていた。今日はここで勝負、というところでスイッチを入れられた」と評価した。

 「掛布さんの最後の試合だったので、しっかり投げられてよかった」と右腕は満足そうに話した。掛布2軍監督も「今日はよかったな、と声をかけたら、いつもよりいい笑顔が返ってきたよ」と喜んだ。

 藤浪は5年目の今季、初めて大きな壁に当たり、4度の登録抹消を味わった。2軍で苦しんでいた時、「考えすぎるタイプなので(掛布2軍監督に)気楽にやれよといってもらってありがたかったです」と振り返る。CSに色気は見せないが、1度は遠のいた大舞台がまた見えてきた。そこで快投を見せれば、最高の恩返しになる。【高垣誠】