日本ハムのドラフト1位ルーキー堀は、プロ初先発で初黒星を喫した。3回無失点で降板の楽天藤平との高卒新人対決で投げ負けず、5回6安打1失点の粘投で将来性を感じさせた。

 真っさらなマウンドには、緊張した。初球137キロ直球を投げ込むと、よろけた。照れ笑いし、少し気持ちが楽になった。併殺などで初回無失点の立ち上がり。2回、アマダーへのチェンジアップは真ん中に入った。左翼スタンドに運ばれて先制点を献上。それでも毎回安打を許しながら1失点に食い止め「楽しかった」と笑顔で振り返った。

 前回登板8月17日ロッテ戦(札幌ドーム)は2被弾で逆転を許し、先発加藤の白星を消してしまった。「失投がなければ0点に抑えられたかもしれなかった。それが分かったことは収穫」。イニングを重ねるごとになくなるキレを、2軍での調整中に鍛えた。この日は、たくましさが増していた。

 送り出した栗山監督は「本当にいいピッチャー。試合をまとめられる。見ててワクワクする」とたたえた。悔し泣きした、あの日から43日。先に2勝を挙げている藤平とともに白星はつかなかったが「しっかり思ったところに投げられた」と、手応えを感じた72球。広島から応援に駆けつけた両親に初めて見せた1軍マウンドの姿は、堂々としていた。【保坂果那】

 ▼日本ハム-楽天戦は高卒新人の堀と藤平が先発。高卒新人が先発で投げ合うのは、89年9月11日の今中(中日)と岡(ヤクルト)以来、28年ぶり。堀と藤平はともにドラフト1位で、ドラフト1位同士の高卒新人先発対決は、84年7月1日の加藤(南海)と小野(近鉄)以来、33年ぶり2度目。84年は7回0/3を投げ4失点の小野が勝利投手となり、プロ2勝目を挙げた。