3年ぶりの復権が確実になった。39盗塁の日本ハム西川遥輝外野手(25)が、2度目の盗塁王をほぼ手中におさめた。この日の相手、西武源田が37盗塁でシーズンを終了。3位以下は大きく離れており、残り試合で上回る可能性は極めて低い。「(チームの)順位が決まってからはタイトルを取ることを目標にやってきたので、その点ではよかったです。みんなに感謝です」。ホッと一息ついた。

 43盗塁を記録し頂点に立った14年は、アウトも11個と多かった。今季は企画数44で失敗は5個のみ。成功率8割8分6厘と高い数字を残した。「数を走ればいいということはしていない。自分の中では価値がある」。後ろを打つのはクリーンアップ。やみくもにスタートを切るのではなく、配球や状況を読みながら、効果的に盗塁を積み上げていった。

 9月30日に死球を受けた左ふくらはぎは思わしくなく、打撃練習に復帰したこの日も「思った以上によくなかった」と、走れる状態にはなかった。「もどかしい。野球ができないのはおもしろくない」。打率2割9分6厘、9本塁打。盗塁王こそ手にできそうだが、目前まで迫っていた2年連続3割、自身初の2桁本塁打は厳しい。

 9日の楽天戦(Koboパーク宮城)が今季最終戦。4年ぶりにポストシーズンのない秋を迎えている。「タイトルを取っても、チームの順位に比例しているわけじゃない。素直に喜べない」。3年ぶりの勲章には、悔しさも混じっている。【本間翼】