超攻撃型1番じゃ~! 広島田中広輔内野手(28)が10日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでの積極打法&走塁を誓った。10日、セ・リーグの全日程が終了し、最高出塁率と盗塁王の2冠を達成。イチロー、山田哲人に続き3人目の、出塁率&盗塁の同時タイトルとなった。昨季CS打率8割3分3厘をマークした短期決戦男が、今年もかき回す。

 暑さが戻ってきた広島マツダスタジアム。サングラスをかけた田中は大汗をかいて調整した。この日、セ・リーグの全日程が終了し、正式にタイトルが確定。出塁率3割9分8厘、35盗塁で、最高出塁率と盗塁王の2冠を手にした。この2タイトルを同時受賞するのはイチロー、山田哲人に続き史上3人目。リードオフマンはハキハキと語った。

 田中 1年間やると決めたことを続けられたことが数字につながったのかなと思います。去年1年出て、タイトルに興味を持って、とれればチームもいい方向にいくと思って、多少は意識しながらやりました。

 2年連続フルイニング出場を果たした中でも、日々のルーティンは変わらなかった。ゴム製の長いチューブを腰に巻き、河内広報を引っ張った。負荷を掛けてスタートを切り、スピードにつながる練習だ。暑い日も連戦でも、マツダスタジアムでは必ず行った。日々の積み重ねが数字となった。「足がそんなに速くないなかで、続けられたことが結果につながった」と胸を張る。

 2冠男はCSでも仕掛けまくる。昨年のCSファイナルステージで打率8割3分3厘をマークしMVPを獲得。「いいイメージで打席に入れていた」と振り返る。短期決戦の勝負強さは証明済みで、その極意を「攻めたもの勝ち」と表現。「シーズンよりも少し積極的にいく場面も増えると思う。いい意味でも悪い意味でも攻める」と腕をまくった。

 チームは今日11日から社会人との練習試合3連戦をマツダスタジアムで行う。CSまで1週間を切り、徐々にペースも上がる。「実際に生きた球を打つ、捕る。いろんなことを確認したい」。積極性に拍車を掛けたリードオフマンが、今年も広島を引っ張る。【池本泰尚】