巨人が前年比「1・5倍」の振り込みキャンプを敢行する。11月に20代の若手中心で臨む秋季キャンプ(宮崎)は、打力強化を最重要課題の1つに置く。秋季練習3日目の11日、高橋監督は「質も大事だけど量も必要。打っていないんだから振らないと。1・5倍振ってね」と猛練習を予告した。成長を期待する若手に1日1000回以上の振り込みを課して土台を築く。

 4位に沈んだ今季の反省がある。今シーズンを振り返り「広島の本塁打数は単純に1・5倍ぐらい。安打数、得点、盗塁もそう。併殺数も(巨人が)多かった」と分析した。広島の打撃成績を上回ることが、覇権奪取の条件とみている。

 実りの秋にすべく、時間と場所を有効活用できる方法も模索する。「効率良く、打ち回しをできないか考えている」と、キャンプ地のメイン球場や室内練習場など計4施設を効率的に使用できるメニューを検討中。コーチ陣も11年以来の復帰となる吉村禎章氏(54)と二岡コーチ、2軍から配置転換の小関コーチの3人体制で指導することになり、高橋監督は「それぞれ現役時代は違うタイプだったので良いアイデアを出してもらってね」と期待した。

 選手も「1・5倍キャンプ」は望むところだ。キャンプメンバー入りが濃厚な中井は「振り込む時期だと思っていますから。振る中で何かをつかまなければいけない」と力を込めた。鯉の背中を目標に、今年の秋は一心不乱にバットを振る。【浜本卓也】