ロッテから3位で指名された三菱自動車岡崎・山本大貴投手(21=北星学園大付)はチームの救世主として期待される。愛知・岡崎市内で会見に臨み「まだ実感がわいていない。こうやって指名していただいて、やっとスタートラインに立てた。本当に良かった」と胸をなでおろした。

 最速148キロでカーブや2種類のスライダー、ツーシームなどを操る。在籍4年目の今季はチームを都市対抗出場へ導いた。変則左腕で、リリースポイントが打者から見えづらいのが長所だ。今季、最下位に沈んだロッテから投手最上位で指名され、背筋が伸びる。「入ってからが本当の勝負の世界。順位は関係ない。1軍でローテーションを守れるよう頑張りたい」。ロッテは今年、左腕先発がわずか1勝の惨状。「左投手が少ないのはロッテだけじゃなく、各球団もだと聞いている。球界を代表する左投手になりたい」と言う。

 今オフから井口監督が就任し、チーム再建を図る。山本も大敵に立ち向かう。「ソフトバンクは強力な打線。柳田選手はパワーがある。真っすぐがどれだけ通用するかやってみたい。強く腕を振って、真っすぐで空振りを取れるのが、自分のセールスポイント」と先を見据えた。北海道・札幌出身で、日本ハムとの対戦に武者震い。「次、札幌に行くとき、敵チームとして倒せれば」。会見後は、チームメートから胴上げで祝福された。待ち望んだ大舞台で、サウスポーとしての生きざまを見せる。