金本監督にV報告だ。阪神から2位指名を受けた亜大・高橋遥人投手(4年=常葉学園橘)が東都大学リーグ制覇をかけ、今日27日に神宮で東洋大戦に臨む。常葉学園橘(静岡)3年秋にプロ志望届提出も指名はなく、4年後の成長を誓って亜大へ。最速151キロ左腕に成長し、晴れて上位指名を受けた。今日勝てば優勝は決定。大きな手みやげを携え、高校2年以来の甲子園に凱旋(がいせん)する。

 東都制覇に王手をかけた亜大から、151キロ左腕がやってくる。「阪神は若い選手が活躍していて、ファンの人がたくさんいて熱いというイメージです。金本監督のように体を強くしたい。1年目の目標は、1軍のマウンドに上がることです」と高橋は、タイガースに思いをはせた。

 4年をかけ、追い求めたプロ入りだった。常葉学園橘2年夏に甲子園で登板。全国出場は転機になった。翌年の秋、プロ志望届を出して指名を待った。だがプロから声はかからなかった。県内のライバル、聖隷クリストファーのエースだった鈴木翔太は中日1位でプロ入り。「指名もれしたときは本当に悔しかった」。成長を誓い、練習の厳しさで知られる亜大に飛び込んだ。

 DeNA山崎康、広島薮田ら毎年のように好投手を輩出する強豪で、3年秋に主戦を任されるようになった。プロ再挑戦に進路のかじを切った。「こういう形で4年後に実現できてうれしいです」。夢破れた瞬間を知ればこそ、かなった瞬間の喜びは格別だった。

 亜大ではロング救援にも対応したが、阪神では先発の働きを期待される。対戦したい打者にDeNA筒香を挙げ「左打者を抑えないと。プロ野球を代表する一番の左打者は筒香選手だと思うので」と侍JAPANの主砲との対決を待ち望む。

 今日27日、東洋大に勝てば、戦国東都の王座に3季ぶりに返り咲く。「チームでリーグ戦で優勝することが、自分の集大成。優勝して神宮大会で日本一を達成したいです」。プロでも、チームを頂点に立たせる左腕になる。

 ◆高橋遥人(たかはし・はると)1995年(平7)11月7日、静岡県生まれ。常葉学園橘(静岡)では2年夏に甲子園に出場し、1回戦・福井工大福井戦に救援登板も初戦敗退。亜大では1年秋からリーグ戦に登板し、3年春に全日本大学選手権に出場。180センチ、80キロ。左投げ左打ち。