日本ハムからドラフト7位で指名された東大・宮台康平投手(4年=湘南)が、プロ入りへ「参考書」を授かった。30日、都内同校の本郷キャンパス内で大渕スカウト部長、西スカウトから指名あいさつを受けた。東大史上6人目のプロ誕生を間近に控え、話題先行の環境の中でも活躍出来るようにと、球団は「宮台康平くん 入団にあたり」という資料を用意。最速150キロ左腕の力を十分に発揮すべく、活用する。

 知性の際立つ切れ長の目。その視線の先は、新たな門出を見据えていた。ドラフト7位指名ながら異例の数の報道陣が詰め掛けた前で、宮台は気を引き締め直した。「もう(プロ人生は)今日から始まっていると思うので、しっかり準備して球団に行く時に良い状態で行けるように準備していきたい」。約50分にわたる指名あいさつを終え、はやる気持ちを言葉に込めた。

 心強い「参考書」を授かった。球団から手渡されたのは、パワーポイント6ページの「宮台康平くん 入団にあたり」という資料。球団が独自に難関大学出身者がプロで大成しにくい現状を調査し、活躍するための方法を集約。京大出身のロッテ田中が今季限りで戦力外通告を受けたことなどを踏まえ、大渕スカウト部長は「実力で評価されない見方をされる中で、その環境の中で活躍するための考え方、生き方をまとめています」と説明した。

 最速150キロで、左腕が手薄なチーム事情とマッチするなど期待は大きい。栗山監督も「あれだけ野球をしてきて、勉強もしてきた二刀流。素晴らしい。すぐに使える左投手が欲しくて指名した」と期待している。「実力で評価していただいた。結果を出すのが一番だと思うので、頑張っていきたい」と、本人も気合十分だ。東大法学部で3年時には国際法を学んだ。プロ入り後はドラフト1位の早実・清宮から体作りを学ぼうとするなど、探求心は尽きない。昨夏に不安を抱えて現在は回復傾向にある左肩は、念のため週明けにメディカルチェックを受ける予定。万難を排し、プロという新たな難関に挑む。【田中彩友美】