楽天にドラフト6位指名された仙台育英の西巻賢二内野手(18)が10月31日、宮城・多賀城市内の同校で楽天から指名あいさつを受けた。

 福島・小金井小6年時には、年末に行われるNPB12球団ジュニアトーナメントに楽天ジュニアとして出場。ジュニアチームから、出身母体のプロ球団に入団するのは史上初だ。梨田監督から「すぐ通用する」と評された自慢の守備を生かして、地元に愛される選手になる。

 自然と興奮が湧き上がってきた。西巻は担当の楽天上岡良一スカウト(51)からドラフト会議入場パスを手渡されると、笑みを見せた。表面には梨田監督の直筆で「一緒に頑張ろう」、裏面にはサインと「夢と感動」と書かれていた。

 西巻 ドラフト当日よりも「プロになるんだ」という実感が湧いた。守備を土台としてきた。すべてにおいてレベルアップしてプロに入りたい。

 鉄壁の守備は球団内に知れ渡っていた。この日、コボパーク宮城で秋季練習に参加した梨田監督はすでに西巻の映像を見たという。「守備はうまい。すぐに通用する動きは持っている。遊撃のレギュラー争いに刺激を与えてほしい」。上岡スカウトも「野球センスは抜群。将来はゴールデングラブを獲得できる素材」と太鼓判を押す。

 楽天に入団する運命だった。小6で楽天ジュニアに選出され、出身母体のプロ球団に入団したのは史上初。今年は西巻に続いて、横浜ジュニア出身の東北福祉大・楠本泰史外野手(22)がDeNA8位で指名された。今でも楽天ジュニアのユニホームを会津若松市内の自宅に飾っている西巻は「プロとしてやるので、不思議な感じ。ただ(プロに)入ったらいいやじゃ駄目」と気を引き締める。

 当面の課題は打撃面の向上だ。西巻の脳裏には新機軸が浮かんでいた。「今は右打ちしか練習してないけど、左打ちも少しは面白いかも」。己の可能性を最大限に高め、プロの世界に挑戦する。【高橋洋平】