誠也2世は動けるぽっちゃり!? 広島ドラフト4位の二松学舎大付・永井敦士外野手(3年)が1日、指名あいさつを受けた。ドラフト当日に高校の先輩にあたる鈴木誠也外野手(23)と電話で会話。「最高で~す!」を叫ぶよう求められたという。憧れの先輩を目指す体はがっしり。だが50メートルを5秒8で走る俊足が持ち味だ。魅力たっぷりで自他ともに認める愛されキャラ。楽しみな存在がプロの門をたたく。

 電話を握りしめたまま、永井は絶叫した。「最高で~す!」。電話の向こうには二松学舎大付OBの鈴木誠也がいた。「おめでとう、よかったね! よろしくね! とりあえず、最高です、って叫んで!」。言わずと知れたマツダスタジアムのお立ち台での誠也の決めぜりふだ。早速プロの洗礼!? を浴びた永井だが、並んで絶叫する日を今から夢見ている。

 「練習も人一倍すると監督から聞きました。チームが苦しい場面で大切な1本を打てる、大きな存在。記者の方にも関係者の方にも愛される選手に、僕もなりたいです」

 丸刈りが少し伸びた髪に、男らしい眉。178センチ、90キロの怒り肩。いかつい見た目とは裏腹に、自他ともに認める愛されキャラだ。「この体ですけど、足も自信があります」とにっこり。中学時代は陸上部に所属し、草加市の大会で100メートルで優勝。「みんなほっそりしているのに、僕だけ体が違って」と苦笑。冬場には陸上部とボーイズリーグで走り込みが重なって空腹。コンビニでこっそりおにぎりを食べ「みんな10キロ痩せるのに、僕は10キロ増えました」と笑った。

 粗削りだが素材は一級品だ。1年秋から4番を張り、高校通算47発。逆方向への長打には自信を持つ。何しろ頑丈な体で故障知らず。育成の広島にはピッタリで「練習は裏切らない」ときっぱりと言う。中学から外野1本で勝負してきたが、プロでは三塁にも挑戦する。現在は2時間にも及ぶ地味な基礎練習に没頭。通学のため毎朝5時20分に起床する生活を続けた忍耐力も、誠也に通じるものがありそうだ。

 柔らかさに隠れた負けん気も強い。清宮、安田、中村の名前を挙げ「負けたくない。プロでは自分が目立てるように努力をしていきたい」。まさに芯の強い、愛されキャラ。たたき上げで上達し、永井は誠也とのお立ち台を目指す。その目は希望であふれている。【池本泰尚】

<永井敦士メモ>

 ◆生まれ 2000年(平12)1月10日、埼玉・草加市生まれ

 ◆球歴 小学2年から青空ベースボールクラブで野球を始める。花栗中時代は陸上部に所属し、草加ボーイズで野球を続け全国大会に出場。ボーイズ日本代表にも選ばれた。二松学舎大付では1年秋からレギュラーで4番。3年夏に甲子園出場。高校通算47本塁打

 ◆足と肩 50メートル5秒8、遠投100メートル

 ◆目標 トリプルスリー

 ◆サイズ 178センチ、90キロ、右投げ右打ち

 ◆好きな食べ物 肉じゃが

 ◆趣味 球技。好きな音楽はケツメイシの「仲間」

 ◆好きなタレント 広瀬すず

 ◆家族 両親と兄