来季こそ、15勝してくれ! 阪神金本知憲監督(49)がキャンプ休日の6日、今季3勝に終わった藤浪晋太郎投手(23)の大黒柱返り咲きを願った。メッセンジャーと秋山に18年先発ローテ入りの当確ランプをともした上で、残り4枠は現状白紙を示唆。13年ぶりのリーグ優勝に向けて激しい競争を促し、背番号19にエース級の働きを求めていく。

 思わず金本監督の口調が熱を帯びた。来季先発ローテについての質問を受けていた最中だ。藤浪もローテに入ってもらわなければ-。そんな問いかけに「当たり前やんか! 入ってもらわんと困りますわね。今年だって計算していたんだから。14か15ぐらい勝つ計算でいたんだから」と語気を強めた。

 指揮官は18年先発ローテメンバーについて、メッセンジャー、秋山を指して「2人はもちろん当確やね」と明言。藤浪の立ち位置は「どうやろな。難しいな、晋太郎も。今年も数カ月ファームでしょ? 優先的にはローテーション入れる…分からんな、年が明けてみんと」と表現した。

 若き右腕は今季まさかの3勝どまり。今までにないレベルの制球難に苦しみ、6月以降は2カ月半にも及ぶ2軍生活を経験した。レギュラーシーズン終盤も鳴尾浜暮らしが続き、来季ローテ入りが確実とはいえない状況に立たされている。現状はローテ残り4枠を争う立場。ただ、高卒1年目から3年連続2ケタ星をクリアした潜在能力を、指揮官は信じて疑わない。

 来季の期待値も変わらず14、15勝になる。金本監督は「やってほしいよ、そりゃあ。誰が監督だってそうでしょう。あいつをいらん、なんて言う監督はいないでしょう」と豪快に笑った。ローテ入り白紙の状態から競争を勝ち抜き、エース格に返り咲いてほしい。熱い感情が言葉の端々からにじみ出た。

 藤浪はCSファーストステージDeNA戦の3戦目で中継ぎ登板し、2回1安打無失点と復活の兆しを見せた。秋季キャンプでは連日ブルペン入りし、指揮官も「安定感はあると感じた。あまりブレがないな、というね」と方向性には納得顔だ。今後は11、18日に計画されている練習試合、韓国・LG戦や紅白戦で実戦マウンドにも上がる予定。“復肩”ロードを突っ走る姿を、誰もが期待している。【佐井陽介】