ギータ打法で復活や! 阪神高山俊外野手(24)が8日、4スタンス理論を提唱するスポーツアドバイザーの広戸聡一氏から「ギータ打法」を伝授された。ソフトバンク柳田のスイングに影響を与えた考え方で、体の中心にバットを構え、振り切った後も両手をバットから離さないというもの。金本監督も指導に立ち会い、25分間見守った。今季は不振に陥った昨季の新人王だが、来季こそ結果で応えるつもりだ。

 

 高山再生にメスが入った。秋季キャンプの特別講師で、4スタンス理論を提唱する広戸氏が高山のティー打撃を食い入るように見つめた。この日指摘したポイントは、<1>打席では体の中心近くにバットを構えること<2>振り終えたときに両手をバットから離さないという2点だ。「体の真ん中から(動作を)スタートすることは基本の『き』の字」と広戸氏。ソフトバンク柳田のスイングにも影響を与えた、いわば「ギータ打法」が伝授された。

 実際に柳田も、打席に入る際は体の中心からバットをトップの位置に運んでいる。また、バットを離さないことでスイングが崩れず、より力強い打球を飛ばすことができるというわけ。この日は広戸氏が高山のバットを引っ張って力の伝え方を指導するシーンもあった。

 広戸氏の隣で見守った金本監督も、自ら計18スイングを披露するなど徹底指導を行った。「(高山は)やっぱり自分のバランスというか、自分に合った打ち方が出来ていない」。今季は103試合に出場し打率2割5分で6本塁打。昨季の新人王にしては物足りない数字で、再生に向けて力も入る。

 この日の指導を終えると、指揮官は「基本的にはツーベースの多いバッターになってほしい。右中間、左中間。広角に打ってね。彼は瞬発力も体力もあるし、もともとの打撃センスもあるし。もうバッティングセンスは僕よりも全然上だと思っている」と大きな期待を口にした。

 広戸氏が提唱する4スタンス理論では金本監督と高山は同じB2タイプ。広戸氏は監督が一番いいお手本だと言うが「それはもうね。“忖度(そんたく)”してね(笑い)」と金本監督は謙遜した。指導を受けた高山は「(新しい発見が)ありました。はい(金本監督と同じ)B2(タイプ)です。頑張ります」と意気込んだ。打撃フォームの再確認を終え、復活を懸けた来季に向けてバットを振り続ける。【真柴健】

 ◆広戸聡一(ひろと・そういち)1961年(昭36)6月13日、東京都生まれ。整体専門学校を卒業後、整体施療家として治療を行い、89年にスポーツ整体「広戸道場」開業。05年ごろから人の身体特性を4種類に分類する「4スタンス理論」を提唱。現在は一般社団法人「レッシュ・プロジェクト」代表理事を務め、スポーツ選手だけでなく、文化・芸能人らも指導。日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフでもある。

 ◆4スタンス理論 スポーツアドバイザーの広戸聡一氏が提唱。無意識の動作の中で、重心がかかる場所が人によって異なるとされる。つま先内側(A1)つま先外側(A2)かかと内側(B1)かかと外側(B2)の4タイプに分かれており、それぞれに合った体の使い方、形で効果的な動きを目指すというもの。高山はB2タイプとされ、同タイプは手足の指先かつ、外側でバランスをとるという。後ろの軸で球を捉えるようなスイングをする。代表格は阪神金本監督、松井秀喜氏とされる。